中国商標

台湾・香港・マカオの商標登録制度と費用は中国とどう違うのか?プロが解説

中国で商標登録ができても商標権の効力は台湾だけでなく香港・マカオにおよばないということをご存知でしょうか。

もしあなたが中国・台湾・香港・マカオでビジネスを始めるのであれば、これらの4か国の全てを商標登録する必要があります。

しかし、中国・台湾・香港・マカオはそれぞれ商標制度が大きく異なりますし、注意が必要となります。

また、中国・台湾・香港・マカオの4か国に商標出願をするとなると費用はどれくらいかかるのか気になると思います。

そこで、本内容では、台湾・香港・マカオの商標登録制度を中国の商標登録制度と費用を対比しながら相違点を解説していきます。

中国の商標登録制度については「中国商標の商標登録までの流れは日本と何が違う?ポイントは3つだけ!」の記事が参考になり、費用については「中国商標登録の費用はどれくらい?安くできるコツは?プロが解説」の記事が参考になります。

本内容の構成

1.台湾・香港・マカオと中国の商標登録制度の相違点

2.台湾・香港・マカオと中国の商標登録の費用の相違点

3.台湾・香港・マカオの商標登録制度と費用のまとめ

 

1.台湾・香港・マカオと中国の商標登録制度の相違点

中国 台湾 香港 マカオ
①出願 一出願多区分制度あり 一出願多区分制度あり 一出願多区分制度あり
シリーズ商標制度を採用
一出願多区分制度なし
②方式審査 あり あり あり あり
③実体審査 意見書で反論する機会なし 意見書で反論する機会あり 意見書で反論する機会あり
ヒアリング・面談の機会あり
意見書で反論する機会あり
④出願公告
(異議申し立て期間)
実体審査のあと
3か月
登録公告のあと
3か月
登録公告のあと
2か月
方式審査のあと
2か月
⑤登録公告 登録納付料なし 登録納付料必要 登録納付料なし 登録納付料なし
⑥更新 あり
存続期間10年
あり
存続期間10年
あり
存続期間10年
あり
存続期間7年
マドプロ 加盟 未加盟 未加盟 未加盟

まとめると上のとおりでして、中国・台湾・香港・マカオでは商標制度が大きくことなる点に注意してください。

以下それぞれの出願から登録・更新までの各ステップを詳しく解説していきます。

①台湾・香港・マカオの商標登録出願制度

中国・台湾・香港はいずれも一出願多区分制度を採用しています。

一出願多区分制度というのは、1つの手続きで複数の区分を同時に出願できる制度でして、手間とコストを抑えられるというメリットがあります。

一方、マカオは一出願多区分制度を採用していないことに注意してください。

このため、マカオでは、同じ商標であっても区分ごとに手続きをする必要があります。

また、香港では、一出願多区分制度に加えて、シリーズ商標制度を採用していることにも注意してください。

シリーズ商標制度におけるシリーズ商標というのは、互いに本質的な部分が類似しており、識別性のないもののみ相違しているものでして、シリーズ商標を1つの手続きで出願することができます。

シリーズ商標の例としては、例えば色のみ異なる色違い商標などが挙げられます。

ただし、シリーズ商標の数は制限されており、4以下であることに注意してください。

香港では、商標制度について中国制度の流れに沿っているというよりもむしろ英国法の流れに沿っているものでして、このようなシリーズ商標制度は、英国・インド・シンガポールなどにも存在しています。

②台湾・香港・マカオの方式審査

方式審査では、商標出願書類の形式的な審査や手数料に誤りがないかの審査が行われます。

方式審査については中国・台湾・香港・マカオに実質的な相違はありません。

③台湾・香港・マカオの実体審査

実体審査では、先願商標と同一・類似であるかといった不登録事由(拒絶理由)が存在するかどうか審査されます。

通常、日本も含めて不登録事由が存在する場合、その旨を出願人に伝えて意見書を提出する機会が与えれます。

台湾・香港・マカオでは日本同様意見書を提出する機会が与えられますが、中国では機会は与えられず、拒絶査定が通知される点に注意してください。

くわしくは「中国商標の商標登録までの流れは日本と何が違う?ポイントは3つだけ!」の記事をご参考ください。

このため、あなたが中国で商標出願をする場合は、より慎重に先願調査をすることをおすすめします。

 

また、香港では意見書だけでなく審査官と面談・ヒアリングの機会もあることを知っておくと対策もたてやすいでしょう

 

④台湾・香港・マカオの公告期間(異議申し立て期間)

中国・台湾・香港・マカオでは異議申し立てをできる時期・期間ともにそれぞれ異なるので注意してください。

まとめると以下の通りです。

  • 中国➤実体審査で不登録事由が存在しないことが認められたあとであって、3か月内
  • 台湾➤登録公告のあとであって、3か月内
  • 香港➤登録公告のあとであって、2か月内
  • マカオ➤方式審査のあとであって、2か月内

 

⑤台湾・香港・マカオの登録公告

日本では、登録査定が通知されると、出願人は所定料の登録納付料を支払い、その後に登録公告がされます。

この点、台湾も日本と同様登録納付料を支払う必要があるのですが、中国・香港・マカオでは登録納付料の支払いは不要であることに注意してください。

⑥更新

商標制度では、商標権の存続期間は通常登録してから10年でして、それから商標権を更新することができます。

日本・中国・台湾・香港では商標権の存続期間は10年ですが、マカオのみ商標権の存続期間は7年ですので注意してください。

マドプロの注意点

外国に商標登録出願をする場合、登録したい国にダイレクトに出願するか、マドプロ制度を利用するか、どちらかの選択があります。

マドプロ制度を利用するメリットは、出願する国が多くある場合に個々に出願するよりも費用を安く抑えられることがあります。 

しかし、台湾・香港・マカオはマドプロに未加盟でして、これらの国に商標出願する場合、マドプロ制度を利用できないことに注意してください。

もし、あなたが中国・台湾・香港・マカオに商標登録出願したい場合、マドプロ制度を利用するより個々で出願することをおすすめします。

2.台湾・香港・マカオと中国の商標登録の費用の相違点

中国 台湾 香港 マカオ
出願手数料 約4,665円 約9,936円 約27,240円 約13,000円
区分増加額 約4,665円 約9,936円 約27,240円 約13,000円
登録納付料 不要 約9,200円 不要 不要
区分増加額 不要 約9,200円 不要 不要
更新手数料 約7,840円 約14,720円 約36,365円 約26,000円
区分増加額 約7,840円 約14,720円 約36,365円 約26,000円

まとめると上のとおりでして、中国・台湾・香港・マカオでは費用が大きくことなる点に注意してください。

中国の商標登録出願の費用について詳しくは「中国商標登録の費用はどれくらい?安くできるコツは?プロが解説」の記事でも解説しています。

台湾について指定商品(役務)の数が20を超えると、超えた分の1つあたり、出願手数料が約736円かかります。(35類の小売りを指定した場合はまた料金が異なります)

以下それぞれの出願から登録・更新までの各ステップを詳しく解説していきます。

3.台湾・香港・マカオの商標登録制度と費用のまとめ

以上をまとめます。

商標登録制度の相違点」

中国 台湾 香港 マカオ
①出願 一出願多区分制度あり 一出願多区分制度あり 一出願多区分制度あり
シリーズ商標制度を採用
一出願多区分制度なし
②方式審査 あり あり あり あり
③実体審査 意見書で反論する機会なし 意見書で反論する機会あり 意見書で反論する機会あり
ヒアリング・面談の機会あり
意見書で反論する機会あり
④出願公告
(異議申し立て期間)
実体審査のあと
3か月
登録公告のあと
3か月
登録公告のあと
2か月
方式審査のあと
2か月
⑤登録公告 登録納付料なし 登録納付料必要 登録納付料なし 登録納付料なし
⑥更新 あり
存続期間10年
あり
存続期間10年
あり
存続期間10年
あり
存続期間7年
マドプロ 加盟 未加盟 未加盟 未加盟

商標登録費用の相違点」

中国 台湾 香港 マカオ
出願手数料 約4,665円 約9,936円 約27,240円 約13,000円
区分増加額 約4,665円 約9,936円 約27,240円 約13,000円
登録納付料 不要 約9,200円 不要 不要
区分増加額 不要 約9,200円 不要 不要
更新手数料 約7,840円 約14,720円 約36,365円 約26,000円
区分増加額 約7,840円 約14,720円 約36,365円 約26,000円

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