中国商標

エルメス社の中国の商標権紛争から学べる教訓とは!?3つある

仏高給ブランドのエルメス社が、今から8年程前に、類似の商標を中国企業に登録されたとして裁判所に登録の取り消しを求め、敗訴した事件をご存知でしょうか。

中国では商標パクリ問題が顕著でして、こうしたパクリ問題に対する商標制度が十分に整備されているとはいえません。

このため、出願人自ら、パクリ問題の対策をしっかりとした商標登録出願の戦略をたてていく必要があります。

エルメス社の中国商標権紛争はこうした商標登録出願の失敗しない戦略を考える上でとても参考になります。

そこで、本内容は、エルメス社の中国商標権紛争を紹介し、この紛争から学べる教訓を3つ紹介していきます。

本内容の構成

1.エルメス社の中国商標権紛争の背景

2.エルメス社の中国商標権紛争から学ぶ3つの教訓

3.エルメス社の中国商標権紛争のまとめ

1.エルメス社の中国商標権紛争の背景

 エルメス社の中国商標権紛争の背景と流れは上図のとおり。

紛争の背景と流れのポイントをまとめると以下のとおり。

ポイント

①エルメス社は「HERMES」の商標登録をしたが、中国名「愛馬仕」の商標登録をしていなかった。

②中国広東省の企業が「愛馬氏(エルメスの中国名)」と酷似した「愛瑪仕」を商標登録した。

③エルメス社は著名商標の不正使用であるとして異議申し立てを行ったが認められなかった。

④その後もエルメス社は中国広東省の企業に対し、「愛瑪仕」の商標登録を取り消す審判を起こすも裁判所に認められなかった。

中国の異議申し立て制度については、「中国商標の異議申し立て制度で知らないと失敗するポイントをプロが解説」について解説しています。

エルメス社は、中国広東省の企業に対し、「愛瑪仕」の商標登録を取り消すように20年弱も戦ってきましたが、結果として商標登録を取り消すに至ることができませんでした。

このように、いったん商標が登録されると取り消すことは難しく、取り消すための費用も高額となりますし、取り消すことができない場合には自社のブランドに大きな影響も受けてしまいます。

せっかく商標登録をとっても、ブランドを守るという役割がなければ意味がありません。

そこで、以下では、エルメス社の中国商標権紛争問題から学べる教訓を3つ紹介していきます。

 

2.エルメス社の中国商標権紛争から学ぶ3つの教訓

教訓は以下のとおり。

ポイント

①中国名も商標登録すること

②中国で著名であることの証拠を残しておくこと

③異議申し立てで取り消すようにすること

順番に解説します。

①中国名も商標登録すること

 エルメス社の中国商標権紛争の大きな原因は、エルメス社が中国名「愛馬仕」を商標登録していなかったことにあります。

その後に、「愛馬仕」に似た商標「愛瑪仕」が登録されたことから、商標「HERMES」が登録されても、商標の類否判断に、「HERMES」の中国名は考慮されなかったということがわかります。

中国の場合も、日本と同じく、商標は、先願商標と同一・類似のものについて登録できませんし、類似の判断の判断要素は見た目や呼び名も含みます。

しかし、先願商標の中国名と類似しているかどうかについて判断されないことに注意してください。

このため、中国でブランドを守るためには、中国名についても商標登録をしておく必要があることに注意してください。

中国名も商標登録するとなると、費用が高くなるように思われますが、出願手数料は1区分あたり4,665円なので日本よりも手数料は安く設定されています。

また、中小企業の場合には特許庁による補助制度もあります。

詳しくは「中国商標登録の費用はどれくらい?安くできるコツは?プロが解説」の記事で解説しています。

商標登録は代理人とも相談してしっかりと検討することをおすすめします。

②中国で著名であることの証拠を残しておくこと

エルメス社は、登録商標「愛瑪仕」の取り消しを求める審判を起こしました。

取り消し理由は、「HERMES」の著名商標の不正使用であるというものです。

エルメス社は「HERMES」が著名商標であるいう証拠も用意して取り消しを求めましたが、証拠は「愛瑪仕」の商標登録出願の日よりも後であるとして認められませんでした。

エルメス社が「愛瑪仕」の商標登録を取り消すことができなかった原因として、証拠の用意が不十分であったこともあります。

中国で著名商標と認められるには、中国での使用の事実と、著名性を獲得していることの証拠をしっかりと残しておくことが重要です。

中国では、特にブランドが危険にさらされやすいため、日本よりも意識を高めておくことをおすすめします。

③異議申し立てで取り消すようにすること

いったん商標登録されると取り消すことはとても難しいです。

これに対し、異議申し立てによる取り消すことの成功率は50%と言われています。

参考:「【中国】2020年上期の商標出願の異議申立成功率は50.1%(7月3日)

なるべく異議申し立てで商標を取り消すようにしておきましょう。

ただし、中国では異議申し立てができる時期・期間が日本と大きく異なりますので注意してください。

異議申し立ては「中国商標の異議申し立て制度で知らないと失敗するポイントをプロが解説」の記事が参考になります。

3.エルメス社の中国商標権紛争のまとめ

教訓をもう一度まとめておきます。

ポイント

①中国名も商標登録すること

②中国で著名であることの証拠を残しておくこと

③異議申し立てで取り消すようにすること

まずは中国商標登録出願をすませておくことが重要です。

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