アメリカ(米国)での特許の年金納付状況を調べる方法

アメリカ(米国)での特許の年金納付状況を調べる方法

ArticleNo. 0951-3

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 今回は、アメリカでの特許の年金納付状況を調べる方法を説明します。

※なお、本記事は、2019年1月14日時点の調査方法です。各国サイトの更新等により、手順が変更される可能性がありますので、ご注意下さい。

この記事を参照して得られる効果

①.アメリカでの特許の年金納付状況を調べる方法を理解できます。

手順

(1)特許庁のサイトにアクセスする

 特許庁のサイト、「PAIR」にアクセスし、Application Number等、該当する種別を選択し、その後に、選択した種別の番号を「Enter number」の記入欄に記入したうえで「SEARCH」をクリックします。

【図1】

0951-3_Fig1_PAIR1

 なお、番号入力では桁数に注意して下さい。桁数が不足している場合には、「0」を補充すると、うまく検索できることが多いです。

 例えば、種別のPublication Number(公開番号)を選択し、「2016208411」などとして検索をかけると、下記のエラー画面(図2)が出ます。これは、システム上で公開番号が11桁で管理されているにもかかわらず、10桁で検索をかけたために生じたエラーです。このような場合には、「20160208411」と、「0」を加えてやるとうまくいきます(図3)。ポイントは、西暦等の年数の後の管理番号前に、「0」を加筆することです。

 参考までに、PAIRのサーバーは、頻繁にダウンします。この場合には、あとで時間をおいてから検索し直すとうまくいくことが多いです。

※なお、参考とした公開番号「US2016208411」は、トヨタの特許文献です。

【図2】エラー画面

0951-3_Fig2_PAIR2

【図3】正しい画面

0951-3_Fig3_PAIR3

 上記に示す図3の画面が出てきたら、タブの中の「Fees」をクリックして画面を遷移させましょう。

(2)特許維持年金画面の表示

【図4】

0951-3_Fig4_PAIR4

 上記の図4に示す「Patent Maintenance Fees」という画面に遷移しましたでしょうか?これをさらに下にスクロールしましょう。

【図5】

0951-3_Fig5_PAIR5

 「Patent Maintenance Fees」の画面を、下にスクロールすると、Patent #(特許番号)及びApplication #(出願番号)を記入する欄が出てきます(上記の図5)。アメリカでの特許の年金納付状況を確認するには、これら2つとも記入する必要がありますので、この点注意して下さい。

 Patent #(特許番号)及びApplication #(出願番号)を記入したら、「Continue」をクリックして、次の画面に遷移しましょう。

【図6】

0951-3_Fig6_PAIR6

 「Patent Maintenance Fees」の画面が更に遷移して、上記の図6に示すStatus画面が表示されたかと思います。

 ここの項目の読み方が少々複雑なので、解説します。

 アメリカでの特許の年金納付期限は、細かく決められており、登録日(ISSUE DATE)から4年毎に、次の特許期間の維持のための年金納付が、3回必要です。

 年金の納付は年金納付終了日(Last Day to Pay)の1年前から可能であり、年金納付開始日(First Day to Pay)から追徴金納付開始日(Surcharge Status)までの半年以内なら通常料金で、追徴金納付開始日(Surcharge Status)から年金納付終了日(Last Day to Pay)までの半年以内なら通常料金+追徴金($160)で、年金を納付することができます。

 具体的には、年金納付可能日は、下記のようになっています:

・登録日(ISSUE DATE)から3年~3.5年で通常料金は$1600

・登録日(ISSUE DATE)から3.5年~4年で通常料金は$1600+$160

・登録日(ISSUE DATE)から7年~7.5年で通常料金は$3600

・登録日(ISSUE DATE)から7.5年~8年で通常料金は$3600+$160

・登録日(ISSUE DATE)から11年~11.5年で通常料金は$7400

・登録日(ISSUE DATE)から11.5年~12年で通常料金は$7400+$160

 なお、年金の納付が可能である場合には、「Status」がNot OpenからOpenに表示が変更されます。期限内に年金が支払われますと、「Fees」がNot DueからPaidに変更されますので、ここで、年金が納付されたことを確認することができます

(3)特許存続期限を正確に把握する(Patent Term Adjustment:PTA

 アメリカの特許存続期限は、原則として、特許出願日(又は国際出願の日)から20年で満了します。

 例えば、201911日を出願日とした場合には、203911日が特許存続期間の満了日となります。

 したがいまして、登録日が202211日である場合には、17年間にわたって特許権が存続することとなります(もちろん、途中で年金の納付が途切れなければ、の話しです)。

 しかしながら、これには例外がありまして、特許出願から特許の発行までに要した期間(審査期間)において、米国特許商標庁(USPTO)の責任により必要以上に遅延が発生し、特許の発行が遅れた場合には、特許権の存続期間が、その遅延分だけ1日単位で延長されます。但し、出願人の責任で審査期間が遅延していた場合は、USPTOの責任による遅延分から出願人の責任による遅延分を差し引いて特許期間を算出します。なお、特許期間が出願から20年より早くなることはありませんので、出願人の責任による遅延が必要以上に出願人の不利に働くことはありません。

 そして、このような例外を、特許期間の調整(Patent Term Adjustment:PTA)といいます。

 したがって、特許存続期間を正確に把握するには、このPTAを調査する必要が生じますので、これに調査方法についても、下記で説明します。

 まずは、上記の図3の「Public Patent Application Information Retrieval」の画面を開くところまで進めましょう。

 次に、当該画面において、タブの「Patent Term Adjustment」をクリックして下さい。下記の図7のような画面に遷移すると思います。

【図7】

0951-3_Fig7_PAIR7

 上記の図7中において、A~CのDelaysの記載があるかと思います。

 A Delaysは、審査遅延による遅れを示し、B Delaysは出願人の対応による遅れを示し、C Delaysは正味の遅れ(C=A-B)を示しています。

 この中で重要なのは、「C」の部分です。図7中では、C」の230の数値が示すとおり、230日分の遅れが生じたことを意味しています。

 上記したように、この遅延が無い場合には、特許存続期間の満了日は203911日となるはずですが、PTAの遅れを考慮すると、この日付から230日後の2039819日が、実際の特許存続期間の満了日となります。

 なお、他の国の年金納付状況については「他人の特許権が邪魔?年金納付状況の確認方法」も参照してみて下さい。

 今回はここまでです。

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