湯エステ(SUISO599 Bath)の特許?特許明細書から効能を分析!

湯エステ(SUISO599 Bath)の特許?特許明細書から効能を分析!

ArticleNo. 0912-1

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 巷(ちまた)に出回っている製品では「特許取得!」と大々的に宣伝していますが、「なんとなく凄いんだろうけど、どこが凄いのか?」ということまで把握している方は少ないんじゃないんでしょうか?(かく言う私もそうなんですが)

 なので、巷に出回っている特許製品について、弁理士が特許明細書の観点から、その効果・効能を分かりやすく分析してみたいと思います!

 今回紹介するのは、湯エステSUISO599 Bath)」という製品で、登録特許番号は「6278574号」です。



 さあ、いってみましょう!

この記事を参照して得られる効果

①.湯エステSUISO599 Bath)の効果を特許の観点から理解できる。

②.特許明細書の読み方が分かる。

湯エステ(SUISO599 Bath)の説明

 まずは、公式サイトにある湯エステSUISO599 Bath)の製品説明です。

【図1】

0912-1_Fig1_冷えは万病のもと

 上図によれば、湯エステSUISO599 Bath)は、「手足の冷え」等を改善するための製品であって、「マイクロバブル」を発生させる装置のことのようですね。

 図の右端には、特許番号も示されており、なんだか凄く効能があるように思えます。

【図2】

0912-1_Fig2_マイクロバブルの発熱力

 次に、マイクロバブルの発熱力の話しですね。これについては、どうしてマイクロバブルがいいのか分かりにくいので説明します。

マイクロバブルの説明

 マイクロバブルの「マイクロ(μ)」とは、長さの単位を示し、「m」に換算すると、0.000001(m)となります。

※参考

 1cm=0.01

 1mm=0.001

 1μm=0.001mm=0.000001

(1)血流促進効果(温浴効果)

 このマイクロバブルは、上昇して水面で破裂する通常のバブル(cm単位、mm単位)と異なり、気泡が含む空気を水に溶解させながら水中で消えるため、水中の溶存酸素量(水素の場合には水素量)を増加させ、生物の生理活性化を促すという特性があります。一説には、23倍の血流促進効果があるという報告もなされています。

(2)毛穴洗浄効果

 マイクロバブルは、その微小さから、人体の毛穴に入り込むことができます。

 したがって、水では除去できないような皮脂汚れや悪臭成分を取り除くことが可能であり、高い洗浄効果を発揮します。

 一般的には、毛穴洗浄効果により、①肌荒れ改善、②傷口洗浄、③消臭、④美肌、⑤保湿等の効果があると言われています。

(3)水中残存率上昇効果

 マイクロバブルは、通常のバブル(cm単位、mm単位)と異なり、その上昇速度が遅く、水面で破裂する割合が小さいため、水中残存率が非常に高いです。

 したがって、上記の血流促進効果及び毛穴洗浄効果を、より向上させることが可能です。

(4)殺菌効果

 マイクロバブルには、その帯電作用と、その圧壊(マイクロバブルが潰れること)時に生じるフリーラジカル作用により、殺菌効果が認められています。なお、この帯電作用は、水中に漂う+の電荷を帯びた微細な異物(汚濁物質など)への吸着・除去にも効果を示します。

※帯電作用による殺菌

 帯電作用とは、「+」や「-」の性質を帯びること。帯電していないものと比較して、反応性が高く(磁石の引きつけ効果とかを想像してもらえると分かり易いかと思います)、菌及びその生存環境を変質させる効果があるため、殺菌作用を示します。具体手には、マイクロバブルは、典型的には「-」の電荷を帯びているため、「+」の電荷を帯びている菌に対して攻撃を仕掛け、殺菌作用を示します。

※フリーラジカル作用による殺菌

 フリーラジカルとは、簡単に言うと「電子が1つ余っている状態」を意味しています。

 自然界では、典型的には、「電子が偶数ある状態(2つの電子が電子対を形成している状態)」が安定ですが、フリーラジカルは、電子が1つ余っているために電子対を形成できておらず、その反応性は非常に高いです。したがって、菌及びその生存環境を変質させる効果があるため、殺菌作用を示します。

(5)局所的な超高温及び超高圧効果

 マイクロバブルは、その圧壊時に数千℃の熱と数千気圧の圧力が、局所的に発生します。

 この超高温及び超高圧が、肌や、その毛穴の汚れを分解除去し、かつ新陳代謝の促進効果を生じます。

 また、マイクロバブルは、その圧壊時に超音波を放出し、これにダイエット効果があるとのことです。

(6)水素水のマイクロバブルを配合

 湯エステSUISO599 Bath)では、酸素のマイクロバブルのみならず、水素のマイクロバブルを含んでいます。

 これの効能については、結論から先に述べますが、下記に示す特許文献に示されており、「活性酸素除去効果」、「アトピー抑制効果」、「ダイエット効果」、及び「デトックス効果」等の種々の効果を奏するとのことです。

 水素は、化学分野では、還元剤(電子供与体)として作用することが知られており、「+」に帯電した高活性な化学種(細胞等破壊を促進)を、「-」の電子を付与することで、中和して、アンチエイジングなどに効能があると、言われています。

 ただし、水素水に、どれほどの生理学的な効能があるかについては、科学分野でも議論中(生理学的説明がほとんどない)というのが実情のようですので、その点にご留意下さい。

湯エステSUISO599 Bath)の特許「6278574」号公報の分析

 さて、本題です。湯エステSUISO599 Bath)の特許「6278574」号公報を分析して、この特許のどこが凄いのかを調べてみましょう。

【図3】

0912-1_Fig3_特許公報_特許第6278574号

(1)特許公報の読み方

 特許公報は、ものによりますが、数ページから数百ページ程度で構成され、かつ、これを読み慣れていない人には、非常に難解(頻出する専門用語や発明のイメージのし難さ)なものです。

 法律文書としての性格を有していますから、しょうがないのですが、少しでも読み易くしたいですよね。

 今回は、発明品(湯エステSUISO599 Bath))の効能がわかれば良いですから、従来どんな技術があったのか(【背景技術】)、従来技術にどんな課題があったのか(【発明が解決しようとする課題】)、従来技術にない新しい効果(【発明の効果】)、それがどのように実証されているのか(【発明を実施するための形態】)、文献中の各項目の一部だけ見てみましょう。

(2)【背景技術】

 さて、上記の特許文献の【背景技術】を参照すると、下記のようなことが書かれています。

【背景技術】

【0004】

特に、マイクロバブルは、発生と同時に非常に遅い速度で上昇しながら、40kHzの超音波を含む衝撃波が時速400kmの速度、多量の陰イオン発生、瞬間的な高温(約5、500度)を発生させながら様々な効果をもたらす性質がある。

【0005】

 このようなマイクロバブルを生成するための従来のマイクロバブル発生装置が大韓民国特許登録番号第10-0824714号(2008.4.17)マイクロバブル発生装置(以下、「従来技術1」という)で開示されている。

 段落0004の説明は、上記でも言及したマイクロバブルの一般的な効能の説明ですね。

 また、段落0005の説明は、マイクロバブル発生装置の説明で、ここだけ読むと、湯エステSUISO599 Bath)と対して差が無いように思えます。

 情報が不足していますのでもう少し読み進めてみましょう。

(3)【発明が解決しようとする課題】及び【発明の効果】

 【発明が解決しようとする課題】には、下記のようなことが記載されています。

【発明が解決しようとする課題】

【0012】

 しかし、前記従来技術1によるマイクロバブル発生装置は、微細な酸素気泡のみ発生させて、水に溶存させるだけで、水素気泡は発生させることができず、水に溶存させることができない問題がある。

…(中略)…

【0014】

 また、前記従来技術2による水素水生成装置は、水素水のみ発生させて水に溶存させる

だけで微細な酸素気泡は発生させることができず、水に溶存させることができない問題が

ある。

…(中略)…

【0016】

 さらに、従来は水素水をマイクロバブルに微細化する装置、すなわち、微細水素水バブ

ル生成器が開発されたことはなかった

 どうやら、従来技術の課題は、①酸素のマイクロバブル、②水素のマイクロバブルを同時に生成して水に溶存させることのようですね。そもそも、水素のマイクロバブルを生成する技術自体が無かったようです。

 課題が把握できたので効果ももう分かったようなものですね。念の為、【発明の効果】も参照してみましょう。

【発明の効果】

【0026】

 本発明は、水素水をマイクロバブルに微細化することにより、陰イオンが発生し、体内の活性酸素を除去して老化を防止し、アトピーに効果があり、洗浄と中和作用を行い、ダイエットにも効果的で、デトックス効果も有し、水素発生器と圧力タンクそれぞれの内部の、不純物を含有した残水が空気によって抜け出ながら、前記内部の洗浄が行われる効果を有する。

 上記の記載から湯エステSUISO599 Bath)の特許の効果は、「水素水をマイクロバブルに微細化すること」にあるようですね。

 そして、水素水がマイクロバブルに微細化されることにより、「活性酸素除去効果」、「アトピー改善効果」、「ダイエット効果」、及び「デトックス効果」等の種々の効果を奏すると開示されています。

(4)【発明を実施するための形態】

 次に、【発明を実施するための形態】を参照してみましょう。

 確認することは、本発明の効果(水素水マイクロバブルの生成、及び水素水マイクロバブルのこうか)が実証されているかどうか、です。

 この効果についての記載があると考えられる部分を抜粋して、下記で示しています。

【発明を実施するための形態】

【0031】

 ここで、微細水素水バブルとは、5ミクロン以下のサイズであって超微細気泡のなかに水素原子が溶存されている超微細気泡をいうのである。赤血球のサイズが6~9ミクロンであり、マイクロバブルが5ミクロン以下であり、一般人の毛穴サイズが25ミクロン以下であることを考慮してみると、非常に小さい超微細気泡である。

 この記載によれば、水素水バブル(水素のマイクロバブル)が、少なくとも毛穴より十分に小さく、毛穴に侵入可能なことが示されています。

 さらに読み進めてみましょう。

【発明を実施するための形態】

【0051】

 排出される微細水素水バブルは、ノズル32が浴槽Bに繋がれているので、浴槽Bで入浴する人は、このような微細水素水バブルが溶存されている水で入浴する際に、体の様々な老廃物や角質の洗浄効果自律神経の調節免疫力の増加抵抗力の増進及び疲労回復などの陰イオン効果バブル破裂時に発生する超音波の体の中への浸透によるダイエット効果アトピー改善効果などを得ることができる

 この記載によれば、水素のマイクロバブルの効果が種々うたわれていますね。

 さて、その他の記載については、この装置の構成に関するものであり、実際に上記のような水素のマイクロバブルの効果があるかについては実証されていませんでした。

 他の学術論文等で、水素のマイクロバブルの効果の記載があるかも知れませんが、個人的には、「水素マイクロバブルの効果があったらいいな」くらいの認識が妥当かと思います。

まとめ

 さて、まとめです。

 上記したように、湯エステSUISO599 Bath)では、マイクロバブル、特に水素のマイクロバブルを生じることが特許技術として認められています。

 また、マイクロバブルの効能については、科学的に認められ、保温や血行促進、ダイエット、毛穴洗浄効果等の種々の効能があります。

 他方で、活性酸素除去能等の高い効能を有する水素において、そのマイクロバブルの効能については、特許文献においては不明確な部分があり、さらなる検証の余地があると言えるでしょう。

 ただし、マイクロバブルについては、種々の効能があるようですから、この製品自体は悪くないかと思います。

 今回はここまでです。

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 本記事を参照いただき、ありがとうございました。

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